ライバル選手の飲料に禁止薬物を混入するという、スポーツ業界に激震が走ったと言ってもいいほどのショッキングなニュースが入ってきました。
カヌー・スプリント男子の鈴木康大選手が、ともに2020年東京五輪の出場を目指していた小松正治選手の飲料に薬物を混入したという事件の詳細を追ってみたいと思います。
その他、市販品でもドーピングに引っかかる危険性のあるものも紹介します。

鈴木康大選手と小松正治選手の大会成績

●鈴木康大選手(32歳)
2007年 日本ランキング1位
2010年 広州アジア大会3位
2017年 日本代表選手

オリンピックの出場経験はなく、2016年に一度引退しています。
その後、周りの後押しもあり復帰。

●小松正治選手(25歳)
2014年 仁川(インチョン)アジア大会3位
2017年 日本代表選手

2人とも2020年東京五輪の代表候補というライバル関係にありました。

禁止薬物混入までの経緯

8月 鈴木康大選手がネットで禁止薬物を購入。
この禁止薬物は、筋肉増強効果のある「メタンジェノン」という錠剤で、この錠剤を1粒混入させたとのこと。

9月11日 日本選手権に参加し、禁止薬物を会場に持ち込む。
小松正治選手が競技中、小松正治選手のボトルをロッカールームへ移動し、1人きりの時に禁止薬物を混入した。その後、小松正治選手のボトルを元の場所戻した。

日本選手権では、小松正治選手が1位、 鈴木康大選手は8位という結果。
しかし、競技後のドーピング検査で小松正治選手に陽性反応が出た。

10月20日 小松正治選手に暫定的資格停止が科された。
(12月13日 暫定的資格停止処分は取り消し)

11月17日 連盟幹部がドーピング違反発生を告げる。

11月20日 鈴木康大選手が連盟幹部に薬物混入を告白。

1月9日 JADAと連盟が問題を公表。

薬物を混入した理由を「自分の東京五輪出場が危うくなったと感じ、ライバルを陥れようとした」と、オリンピック出場に並々ならぬ想いがあったようで、2016年夫婦で出演したラジオ番組で、「妻が五輪に行っているのに僕が行っていないのは恥ずかしい」と話したとのこと。
妻の綾香さんは、2008年北京五輪のカヌー・スプリント カヤックフォア500mで6位に入賞しています。

オリンピック出場への、そして妻へのプレッシャーが、今回の事件の動機になった可能性も大きいですね・・・。

鈴木康大選手の余罪

9月11日に小松正治選手が以下のようにツイートしています。

勝てたことは本当に嬉しかったけど、後味悪いことが・・・
パドルが無くなりました。
間違えて持って行ってしまったならこっそり連絡下さい。
誰かが盗んだとは思いたくないです。

日本カヌー連盟の調査で、鈴木康大選手の犯行と判明。

その他、2010年からパドルに細工したり、金を盗むなど4選手が被害に遭ったとのこと。

鈴木康大選手への処分

JADA日本アンチ・ドーピング機構より、鈴木康大選手に8年間の資格停止処分が決定。
日本カヌー連盟より、理事会及び総会に除名の提案を決定。

除名処分になると大会へ出場できなくなる為、事実上、選手生命は断たれることになるでしょうね。

今回のことを受けて、小松正治選手は、

今回、周囲の皆様のご支援を得て競技生活に復帰できることになったことについて心より感謝の言葉を述べたいと思います。
2020年の東京オリンピック出場を目指して日本代表として今後とも競技に精進していく所存です。

と、言いたいことはいっぱいあるであろうに、なんとも大人なコメント・・・。
何より競技に復活できたことが嬉しかったんでしょうね。

警察への被害届提出や示談など、弁護士や協会関係者と協議したいとのことです。

日本カヌー連盟が発表した改善案

1、角界から講師を招き、フェアプレイなどを教える。

2、ドリンク保管所を設置する。

3、医療品相談窓口を設置する。
市販の風邪薬などにもドーピングに引っかかる物質が含まれている場合があるので、未然に防ぐための相談窓口とのこと。

最近、国内では体力強化のためのサプリメント摂取による違反が増えつつあるようです。
では、市販品でもドーピングに引っかかる意外なモノとは?

市販品でもドーピングに引っかかる危険性がある!

ドーピングの作用には、筋肉増強、興奮、脈を抑える、赤血球を増やす、利尿などがあります。

●ドーピングには引っかからないもの
・栄養ドリンク
コンビニにあるようなものならOK!

・プロテイン
国内産の場合、タンパク質が主成分なのでOK!

・ビール
以前はNGでした。

・育毛剤
こちらも以前はNGでした。

●ドーピングに引っかかる危険性があるもの
・風邪薬
エフェドリン、メチルエフェドリンなどの成分がNG!

・漢方薬
麻黄の成分がNG!

・のど飴
エフェドリン、ヒグナミンなどの成分がNG!

のど飴なんてついうっかり食べてしまいそうなので、市販品でも十分気を付けないといけないんですね・・・。

個人的な意見になりますが・・・
鈴木康大選手をテレビで観た瞬間、
「イケメン!」と思いました・・・
32歳というとスポーツ選手としてはオリンピックに出れるラストチャンスだったのかもしれませんが、長い生涯からしたらまだ32歳!
今回の事件がなかったとしてもオリンピック選手として注目されることはなかったかもしれないけれど、せっかくのイケメンなのだから、イケメンを活かせる活躍の場は他にたくさんあったのでは?と思うと、本当に残念な事件だなぁと思います。