インフルエンザ イナビル 正しい使い方と効果

小学5年生の娘(11歳)が先日、インフルエンザAにかかりました。
1月9日朝、39度の高熱。
学校でインフルエンザが流行っていることもあって、午前10時頃に病院へ連れて行きました。
私はてっきりリレンザを処方されると思っていたのですが、出された薬は「イナビル」。
イナビルって?恥ずかしながら、イナビルという薬の存在を知りませんでした。

イナビルとは、吸入型(口から吸入)のインフルエンザに効く薬で、インフルエンザウイルスが増えるのを抑える薬。
リレンザも吸入型の薬なので同じような感じですが、リレンザよりイナビルが優れている点は、決まっている用量を1回分として吸入するだけでいいということ!

どういうことかと言うと・・・。
リレンザは病院でインフルエンザと診断されたら、その場で1回吸入するのですが、帰宅後も時間をおいて吸入する必要があります。
子供がインフルエンザになったら、大人が時間を守って吸入させることはできますが、大人がなった場合、しんどくてしんどくてリレンザを吸入するのを忘れたり、できなかったり・・・も考えられます。
ところが、イナビルの場合、必要な用量を病院で1回吸入するだけで、とりあえずインフルエンザの治療は終了なのです。

容器内には粉状の薬が入っています。
10歳未満は20mg(1容器)を1回分として吸入。つまり、1容器で1回分です。
10歳以上は40mg(2容器)を1回分として吸入。つまり、2容器で1回分です。

イナビルの添付説明書(添付文書)はこちら↓
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それでは、イナビルの正しい使い方やメリットを説明していきます。

イナビルのメリット

インフルエンザウイルスは、「のど」や「気管支」で増殖します。
咳やくしゃみに含まれるウイルスが、のどや気管支にくっつき、のどや気管支で急速に増加するのです。
イナビルは吸入型の薬なので、ウイルスが増殖するのどや気管支に直接届いて、ウイルスの増殖を抑えてくれます。

イナビルの使い方

1、薬剤トレーをスライドさせない状態でトントンと叩き、容器内に薬を集めます。
2、ラベルをはがさずに薬剤トレー①を横方向へしっかりとスライドさせます。
吸入口をくわえて「スーっ」と大きく吸い、2~3秒息を止めた後、吸入口に息をふきかけないようにゆっくりと息を吐きます。
3、次は薬剤トレー②を①とは反対方向へ端までしかっりとスライドさせます。
吸入口をくわえて、「スーっ」と大きく吸い、2~3秒息を止めた後、吸入口に息を吹きかけないようにゆっくりと息を吐きます。
4、薬剤トレー①をスライドさせて、必ず元の状態に戻して下さい。

イナビル吸入時のポイント

・薬剤トレーをスライドさせた状態で、吸入容器をたたかないで下さい。
・薬剤トレーは端までしっかりスライドさせて下さい。
・空気孔をふさがいで下さい。
・吸入口を奥までしっかりくわえて下さい。
・軽く息を吐いてから吸入口をくわえると、スムーズに吸入できます。
・下を向いたまま吸入せず、体を起こしながら吸入して下さい。
・吸入後は2~3秒間息を止め、その後ゆっくり息を吐くようにして下さい。

娘はイナビルで吸入するのは初めてだったので、病院側が空のイナビルの練習用?の容器を用意してくれて、それで練習しました。
上手に吸えたら「ピーっ」と笛のような音がするようになっていて、上手に吸えなかったら「ピーっ」と音はしません。
1回目は上手にできなくて音が鳴りませんでしたが、落ち着いて息を大きく吸って2回目にチャレンジしたら音が鳴ったので、いよいよ本番。

10歳以上なので、イナビルは2容器で計4回吸えば終わりなのですが、容器に粉が残っているかもしれないということで、2容器を吸い終わった後、さらにさっき吸い終わった2容器をもう一通り吸って、結局計8回吸いました。

イナビルを吸入したのが金曜日の朝で、翌日の土曜日の朝には、39度あった熱が36.8度の平熱まで下がっていたので、イナビルの効果が存分に発揮されました。

イナビルは、1回分吸入したらインフルエンザの治療が終了し、効果は数日間続きますが、すぐにウイルスがいなくなるわけではないので、吸入後も安静にしていることが大事です。
熱が下がっても、しばらくはウイルスが残っていて、他の人に感染させる可能性があるため、熱が下がった後は、最低2日間(幼児は3日間)、インフルエンザ発症後からは5日間は自宅での療養が必要です。

娘は丸1日高熱でグッタリしていて、翌日熱が下がってからの数日間はあまり食欲がなく、インフルエンザ発症後、4日目くらいでいつも食べている食事の量に戻ってきました。

イナビルを吸入したことによっての異常行動についてですが、うちの娘の場合は見られませんでした。
インフルエンザ発症後の異常行動がよく取り沙汰されますが、インフルエンザの異常行動は、薬の服用の有無にかかわらず、小児や未成年者において、インフルエンザ発症後に精神・神経症状が発現するそうです。
精神・神経症状とは、普段と違うとっぴな行動をとる、うわごとを言ったり興奮したりする、幻覚が見える、意識がぼんやりする、意識がなくなる、妄想、けいれんなどがあります。
この異常行動などの精神・神経症状は、インフルエンザによる発熱後数日以内、多くは2日以内で、また睡眠中に発現することがあると言われています。
このような異常行動による転落などの事故を防ぐため、インフルエンザを診断されてから2日間は親は就寝中を含めて、子供を1人きりにさせないようにすることが大事です。

イナビルの初投与で少し心配でしたが、持ち帰って吸入させなくてもいい点はリレンザよりいいかなと思いましたが、家族の中でインフルエンザが一人でも発症してしまうとやっぱり家族に移る可能性は大きく、こういう時は持ち帰れるリレンザの方がいいかなと思いました。よう
イナビルは病院で吸入した後は治療が終わるので、持ち帰ろうと思えば持ち帰れますが、おそらく容器の中は空。
リレンザは自宅でも吸入しないといけないので、病院で1回吸ったとしても持ち帰れますよね。
そうすると、おそらくリレンザは余ってくるので、家族の中で誰か高熱が出たときは、ほぼインフルエンザで間違いないと思ったら、早目にリレンザが吸入でき、インフルエンザウイルスの増殖を抑えることができるし、吸入が早ければ早いほど本人もしんどくないんですよね。
リレンザがあればなんとなく安心するというか。
本当はこんな使い方をしたらダメだと思うんですけど。。。